電子マネーとクレジットカードには、以下の通り10項目で違いがあります。
項目 | 電子マネー | クレジットカード |
支払い方法 | 前払い、後払い、即時払い | 必ず後払い |
サインの有無 | 不要 | 必要な場合が多い |
審査 | 原則不要 | 必須 |
記名の有無 | 無記名で使えるカードがある | 記名が必須 |
18歳未満の利用 | 可 | 不可 |
年会費 | 原則不要 | 必要なカードも多い |
主な利用箇所 | 実店舗や自動販売機 | 実店舗やネット通販 |
盗難や紛失 | 残高を失う場合がある | 届け出によって、不正使用分も補償される |
購入した物品の補償 | 無し | 補償制度を持つカードもある |
返品時の扱い | 現金で返金される場合もある | 請求金額の減算で処理が基本 |
今回は、それぞれの違いについて解説します。
利用方法に違いがある
電子マネーとクレジットカードは、利用方法に違いがあります。ここでは主に3点取り上げ、解説します。
支払い方法が異なる
電子マネーは以下の表に示す通り、前払いと後払いがあります。
支払い方法 | 代表的な電子マネー | 備考 |
前払い | nanaco、WAON、Suica、楽天Edy | 事前に入金が必要 |
後払い | QUICPay、PiTaPa | 紐づけられたクレジットカードなどで支払い |
またiDは、3種類の支払い方法が用意されています。
- 前払い(d CARD プリペイドなど)
- 後払い(クレジットカードに紐づけ)
- 即時払い(SMBCデビット)
一方、クレジットカードは必ず後払いとなります。
決済時におけるサインの有無
電子マネーは店舗に設置されている端末にタッチすることで、決済が完了します。このためサインが不要で、少額の決済に向いています。
一方でクレジットカードは、決済時のサインが原則。但し店舗によっては、カードの種類や金額を限定してサインを不要とする場合もあります。
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カードを持つための条件が異なる
カードを持つための条件も、それぞれ異なります。
クレジットカードは審査がある
電子マネーにはPiTaPaを除き、審査がありません。後払い式の電子マネーでは、クレジットカードを持たない人でも、プリペイドカードやデビットカードに紐づけることで発行が可能。
一方でクレジットカードの場合は、審査に通過することが必須です。
前払い式の電子マネーは、無記名でも使える
前払い式の電子マネーには、記名式と無記名式から選べるものが多いです。一方でクレジットカードは表面に氏名がローマ字で印字され、裏面にサインをしなければなりません。
電子マネーは、小学生でも持てる
無記名式の電子マネーは、年齢制限がありません。
またSuicaやICOCAなどでは、小学生用の記名式カードも発行しています。
一方でクレジットカードは、18歳未満や高校生では発行できません。
初期費用や年会費にも違いがある
電子マネーとクレジットカードには、初期費用や年会費にも違いがあります。
電子マネーは年会費不要のものが多い
電子マネーは年会費がかからないことが原則。
但しPiTaPaは、1年間チャージ以外の利用がないと1,000円のPiTaPa維持管理料が必要です。
またカードによっては、発行費用やデポジットが必要な場合があります。
初期費用の項目 | 利用終了時 | 主なカードと初期費用 |
デポジット | 返還される | Suica(500円)、ICOCA(500円) |
発行手数料 | 返還されない | nanaco(300円)、WAON(300円) |
クレジットカードは年会費を要するものも多い
クレジットカードには年会費無料のカードもありますが、一方で数百円から数千円の年会費を要するカードも多いです。
なかにはアメリカン・エキスプレス・カードのように、通常カードでも年会費が1万円を超えるブランドもあります。
カードを使える場所も異なる
電子マネーとクレジットカードでは、使える場所も異なります。
電子マネーは利用できる店舗や種類が指定される
電子マネーの場合、利用できる種類は店舗により異なります。そのため、自身が持っている電子マネーで支払えない場合も少なくありません。
一方でクレジットカードの多くは、国際ブランドと提携しています。
従って国際ブランドさえ対応していれば、どの店舗でも使えます。
自動販売機では電子マネーに軍配
自動販売機では、電子マネーに対応したものも増えています。
なかには電子マネー専用の自動販売機も登場。
一方でクレジットカードが使える自動販売機は、駅にある自動券売機が代表的ですが、そのほかは少ないです。
ネット通販ではクレジットカードに軍配
ネット通販では、ほとんどがクレジットカードの支払いに対応しています。
一方で電子マネーでの支払いは「JRE MALL」などで対応していますが、クレジットカードよりは少ないです。
いざという時の対応も異なる
電子マネーとクレジットカードでは、いざという時の対応にも相違があります。
盗難や紛失の場合、電子マネーの補償は限られる
カード自体を紛失したり、盗難に遭ったりした場合の扱いには、大きな違いがあります。
電子マネーの場合、残高を全て失う場合もある
電子マネーの場合、残高を失うかどうかはカードにより異なります。利用停止措置ができるカードでは、停止処理が完了した時点での残高を新しいカードに移せます。
記名の有無 | 利用停止措置 | 備考 |
前払い式(記名式) | 可 | 楽天Edyは不可 |
前払い式(無記名式) | 不可 | WAONは、所有者情報登録があれば可 |
後払い式 | 可 |
一方でカード利用停止前に使用された金額は、補償の対象となりません。但し後払い式の場合は、クレジットカード会社の補償が受けられる場合があります。
QUICPay「【QUICPay全般】紛失・盗難にあったとき」
クレジットカードでは、60日前にさかのぼって補償が受けられる
クレジットカードの場合は、カード会社に届け出をすることで、カードの利用が停止されます。また届け出をした60~61日前の日にさかのぼり、補償が受けられます。
購入した物品の補償は、クレジットカードならでは
海外旅行で商品を購入した場合、クレジットカード決済なら補償が受けられる場合が多いです。また、国内で購入した物品の補償を受けられるカードもあります。
ダイヤモンド社「クレジットカードの「ショッピング保険」を比較!」
一方で電子マネーは、このような独自の補償制度はありません。
返金する際の扱いも異なる
返金する際の扱いも、電子マネーとクレジットカードでは異なります。
電子マネーの場合は、現金で返金される場合もある
電子マネーで購入した場合、返金方法には以下の2種類があります。
- 電子マネーに返金
- 現金で返金
どちらの返金方法になるかはケースにより異なるため、各店舗での確認が必要です。
クレジットカードの場合は、請求金額の取り消しが原則
クレジットカードで購入した場合は現金で返金せず、請求金額の取り消しで対応することが原則。
但しタイミングによっては、一度購入金額を引き落とした後、次回以降の請求金額から差し引かれる場合もあります。
三井住友カード「クレジットカードの返金(キャンセル)処理の方法」
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